ワーキングマザーの法律・制度

ワーキングマザーと男女雇用機会均等法

「男女雇用機会均等法」という言葉を聞いたことがあると思います。
これの正式名称は、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」といい、募集・採用・配置・昇進における均等な取り扱いを事業主の努力義務とし、定年・退職・解雇などにおける差別的な取り扱いを禁止することなどを定めています。
昭和60年に勤労婦人福止法を改正し、翌年から施行されました。

この中に母子健康法の規定による妊娠中の健康診断、保健指導を受けるために、事業主は妊娠7か月まで4週間に1回、8か月~9か月は2週間に1回、10か月は1週間に1回、必要な時間を確保することができるように努めなければならないと定められています。
また、事業主は通勤ラッシュなどを避けるためのフレックス・タイムの導入、勤務場所の変更、勤務時間の短縮、休養室を設けるなど、妊娠に必要な措置をとるよう努めなければならないと規定されています。

ワーキングマザーにとってとっても大切なことが書かれているんですね。

そして、労働基準法の中では、「妊産婦を妊娠、出産、哺育等に有害な業務につかせてはならない。請求があれば、業務軽減について配慮する。時間外および深夜の労働を命じない。」と規定されています。

産前産後休暇(産休)は最低、産前6週間(多胎の場合は10週間)、産後8週間で、産休中(産前42日、産後56日以内)は健康保険法に基づいて、健康保険組合から給与の60パーセントが保証されます。原則としては事業主は、産前産後休暇中およびその後の30日間に女性を解雇してはならないとされています。

育児休業法と労働基準法

無事に赤ちゃんを出産できたら、今まで以上に楽しいこともたくさんありますが、何から何まで初めてのことばかりで、慣れないうちは大変なことも多いです。

産後に利用できる制度で一番、身近なものと言えば、やはり育児休業法ですね。特に利用されるのは以下の2つでしょうか。

・育児休業(育休)
・短時間勤務(育勤)

まず育児休業とは、母親ばかりでなく、父親もとる資格があります。最低、子供が満1歳の誕生日の前日までで取ることができます。もちろんパート勤務でも取る資格はありますが、正社員、パートともに、「雇用期間が1年未満の人」は、取れないこともあるようですね。

育児休業は期間中であっても、同じ人が2回以上取ることはできず、期間を明らかにしてから休業にはいることと決められています。休業期間の延長は、途中1回だけ認められます。

所得に関しては、法的な保証はありませんが、社会保険料を負担したり、給与の何割かを保証しているところもあります。復帰後、同じ職場に戻れるという保証も残念ながらされていません。復帰が近づいた時に事前に気になるところは会社に自分で問い合わせて相談してみましょう。

もう1つ、出産後の一定期間において勤務時間が短くなる短時間勤務(育勤)制度ですが、父親もとる資格があり、給与は勤務時間に準じます。
ただし・・・「事業主は短時間勤務に対して努力義務がある」という段階なので、まだまだ実施していないところもあるようです。

また、労働基本法では、出産後1年未満、1日2回、各30分から授乳のための母性保護を目的として認められている育児時間というものもあります。育児時間は無給で、保育園の送り迎えなどに利用できます。

以上は法律に認められた基準で、それぞれの期間や時間は、最低これだけ満たされていればいいというもので、企業によっては、それ以上の場合もあります。
まずは、勤務先の就業規則を確認し、法律の基準を満たしていない場合は、都道府県の労働基準局に問い合わせると相談にのってくれます。利用できる制度はどんどん利用して、少しでも負担を減らせるといいですよね。

と、いい部分だけお話ししましたが、実際はといえば・・・法的に認められている部分もあるとはいえ、育児休業法や労働基準法も事業主の理解の有無や暗黙の了解のうちに、制度を利用させないまま退職を促されるケースも多いですよね。

実際には育児休業が取りづらいとか、就学までの労働時間短縮がないと育児と仕事の両立ができないなど、まだまだ問題は本当に多いです。

制度の改正は、少しずつされていますが、実情としては、なかなか納得のいく形で利用している人は、まだ少ないのが現状です。法改正だけでなく、その制度を利用する、利用させるための理解を深める場が必要だと思います。

出産・育児資金の支援制度

出産や育児にかかる費用は、入院費や出産準備品だけではありません。赤ちゃんが生まれたら、育てていく中で様々な生活の変化や月齢に応じた育児用品も必要になってきます。
以下のような助成金や補助金があることも憶えておきましょう。大きくなってからも受けられるものもありますからね。

1.出産育児一時金

妊娠・出産には健康保険がききませんから、出産したら、申請をすれば、健康保険からかかった費用の経済的保障を行うものです。
社会保険でも国民健康保険でも、一律30万円が支給されます。
父親あるいは母親のいずれかの保険で受けとることができます。
母親が出産前半年以内に退職した場合には、退職前の勤務期間が1年以上の条件つきで自分の社会保険から支給を受けることができます。
社会保険の場合は勤務先の社会保険担当者へ、国民健康保険の場合は区市町村国民健康保険課へ、出産後申請します。

2.児童手当

児童手当とは、育児にかかる費用を援助するための制度です。
前年の年収が一定額未満の家庭の場合、子供が3歳になるまで受けることができます。
第1子、2子はそれぞれ月額5000円、第3子からは1万円、3歳以上の子供がいる家庭の場合は、3歳未満の子供のみが対象になります。小学校3年生の3月までもらえます。
児童手当の所得制限に当てはまらない場合でも、厚生年金などに加入している人で年収が一定額未満の家庭には、特例給付で児童手当と同額を受けることができます。
区市町村の福祉事務所や役所で相談を受け付けています。

3.児童扶養手当

父母の離婚・父の死亡などによって、父と生計を同じくしていない児童について、母子世帯等の生活の安定を図り、自立を促進することを目的とて手当を支給する制度です。ただし、所得制限があります。福祉事務所、役所へ申請をします。

4.児童育成手当

児童育成手当は、父母の離婚などにより父または母と生計をともにしていない児童や、心身に障害がある児童の健やかな成長を願って、児童を養育している人に対し支給される手当です。(外国籍の方についても支給の対象となります。)
所得制限があり、福祉事務所、役所へ申請します。

5.児童障害手当

心身に障害のある児童が20歳になるまで扶養している人に支給されます。
所得制限があります。福祉事務所、役所へ申請をします。

6.医療費助成

3歳児までの医療費は現在、ほとんどの自治体で無料になっています。
自治体によっては、小学校就学前まで無料、小学校3年生まで無料、小学校卒業まで無料、中学校卒業まで無料のところもあるので、自分の住んでいる地域はどうなっているか確認をしておいた方がよいでしょう。
また、ひとり親家庭で18歳未満の児童がいる場合には、保険診療の自己負担分の医療費を補助するところもあります(所得制限あり)。

福祉事務所に相談しよう

保育園探しは、待機児童が多く今や至難の業とも言える世の中になっています。昔はそうでもなかったのですが、だいぶ変わってしまったのですね・・・
少子化とはいえ、公立や私立の認可の保育園は保育枠が少なく、待機児童が後を絶たないようです。

公立の保育園や私立の認可保育園に子供を預けたい場合には、まずは福祉事務所や役所に相談しましょう。申請は子供が生まれてからになりますが、妊娠中に足を運んでまず相談しておくと、出産してからすぐに入園できる可能性も高くなります。

入園は原則的にいつでもできますが、実際はゼロ歳や1歳児の場合には、4月の入園の時点で保育人数の少ないために定員になってしまうことが多いので要注意です。
入園にあたっては保育時間、保育年齢も異なり、保育料も家庭の収入や預ける子供の数によって異なり、種々の条件があるので、まず妊娠中に調べてみる必要があります。

一番大切だと思うのは、送り迎えしやすい保育園を選ぶこと。ここが最大のポイントでしょうね。
こうした公立や認可の保育園の他、無認可の保育園や事業所内保育園、ベビーホテルなどもありますが、事前に自分の目で見て、チェックが必要です。

そのほか、家庭福祉員制度といって、保育園に預けられない場合には、福祉事務所から委託された家庭福祉員(保育ママ)に預ける方法もあります。
保育ママは自室の一室を開放し、料金は公立の保育園とほぼ同額で子供を預かっています。福祉事務所に相談しましょう。

福祉事務所は各都道府県で設置されていますが、まれに市町村でも設けられているところがあります。