子育て環境とアレルギー

今や10人に1人といわれている花粉症や喘息、皮膚炎など、何らかのアレルギー症状を持っている人の数ですが、乳児の湿疹を含めれば、全体では20%を越すと言われています。

たとえば、何かに触れたり、吸い込んだり、食べたりといったことで、鼻水が出たり、皮膚が荒れたり、下痢をしたりといったことがアレルギーのきっかけになります。
しかし、同じ条件でも症状が出る人、出ない人などアレルギーの特徴は様々で、花粉症や喘息、アトピーなどアレルギーもいろいろですが、これらの反応は「免疫」と呼ばれる身体の仕組みから発病するものです。

麻疹に1度かかったことがある人は、2度とかかることはありません。
1度かかると、麻疹に対抗する「抗体」と呼ばれるたんぱく質や「リンパ球」と呼ばれる白血球の一種が増え、「免疫ができた」状態になり、病気を退治してくれるのです。
アレルギー発病のときは、このボディガード役であるはずの免疫が、外敵とぶつかりあうことで身体に害となる逆の激しい反応を起こすときなのです。

例えば、鼻の粘膜に花粉が付着したとき、免疫が「外敵」と判断すると、その働きによって鼻粘膜にいる細胞からヒスタミンという物質を放出させ、ヒスタミンは神経を刺激し、くしゃみや鼻水を発生させて外敵を追い出そうとするのです。

化学物質過敏症もこの免疫の働きにのって発症すると見られています。
アトピー性皮膚炎の原因に関しては、いろいろな考えがありますが、皮膚の乾燥や外部からの摩擦による刺激、食べ物と関連したアレルギーである可能性も高いと見られています。
特に皮膚の浅い部分の異常であることから、外部から侵入するアレルギーを引き起こす因子であるアレルゲン、つまりダニなどの関係が深いと思われます。

この「外敵」が増えたことが今のアレルギー症状をもつ人の増加につながっていると思われます。
住宅や家具などの洋風志向が進み、気密性の高いアルミサッシに、床はフローリングやじゅうたん、壁は空気を通さないビニールクロスで被われています。

そのため、風通しがなく湿度が高くなった住居には、ダニやカビがたくさん発生するつくりになっており、住宅建材や塗料、接着剤、洗剤、防虫剤、食品添加物や農薬、化粧品など...私たちのすぐ身の回りには、今や7万種類の化学物質が使われていると言われています。
常にこれらの刺激物にさらされ、気密性の高くなった家で暮らすわけですから、アレルギーの発症の原因にならない方が不思議なのかもしれません。

アレルギーは、乳幼児のころに最も気をつけてあげる必要があります。乳幼児の身体は、大人と比べてデリケートですし、乳児の腸はとても未熟で、食べたものが未消化のまま素通りすることも多く、そのため、消化されていない食べ物の中にアレルゲンがあると、免疫が外敵と判断してアレルギー反応を起こしやすくなります。
もうひとつは乳児の皮膚は、バリア機能がまだ弱いため、ダニや化学物質など外敵が容易に入り込んでアレルギー反応を起こしてしまいやすいのです。

一旦、発症すると完治が難しく、ひとつのアレルギーを起こしてしまうと他のアレルギーも併発するという厄介な傾向があります。
例えば、花粉症の人はアトピーになりやすかったり、同様に化学物質過敏症になる可能性が高いかもしれず、いわゆるアレルギー体質というもので、次に何が起きるのか、予測がつかないだけに辛いところでもあります。

ですから、アレルゲンに対して感受性が強い幼児期には、特に発症する前の予防がとても大切になってきます。
ダニやカビをこまめに排除し、乳時期の3大アレルゲンと言われる牛乳、卵、大豆はとらないようにする、化学物質を身近に置かないなど、普段からのしっかりした対策とどんな小さな異常も見逃さない努力が大切です。