食育とロハス

食育とは

「食育」という言葉をよく耳にするようになりました。
食育とは、子どもの頃から食べものに対する興味を育て、生涯を通じて食の大切さを学び、規則正しい食習慣を身につけ、自分で自分の健康を考えて食べものを選ぶなど、健康で元気に過ごせるようになる力をつけることをいいます。

最近では朝食を摂らない子供が増え、大人もコンビニやスーパー、デパ地下などのお弁当やお惣菜で、カンタンに食事を済ませてしまう、また不規則な生活と偏食など、最近の生活習慣に警鐘を鳴らすものでもあります。

私たちの主食は、もともとご飯を中心に、魚や野菜、大豆から作る豆腐や納豆などの副食を中心とするものでしたが、第二次大戦後、経済成長をした我が国の社会情勢の変化により、畜産物や油脂などの摂取が増加し、たんぱく質、脂肪、炭水化物のエネルギー比率のバランスがとれているなど、バランスのよい「日本型食生活」という理想的な食生活になりました。

しかし、それ以降も、ますます欧米型の食生活に傾き、米の消費が減少し、脂質のとりすぎと炭水化物の摂取量の減少が顕著になっているほか、不規則な食事と偏った食生活の乱れが生じてきています。

このような偏った食生活のため、心臓病、脳卒中、がんといった従来「成人病」と呼ばれていたものが「生活習慣病」と言い換えられるようになり、それらの病気を抱える、または予備軍になりうるであろう肥満や糖尿病等などが若い世代の人たちに及ぶようになりました。健康で長生きできるよう、食生活の改善が急がれます。

食生活の変化の原因としてあげられるのは、パン食の普及により、手軽に準備できるパン食を朝食として取り入れるようになったことや塾通いやテレビの深夜番組などの影響により、夜ふかしの結果、朝食を抜いたり、適当に済ませてしまう。
また、残業や子どもの塾通いなど家族が揃って食事ができないことも多く、コンビニエンス・ストア等の普及により、24時間いつでも自分の食べたい時に、自分の好きな食べ物だけ食べられるようになったことなどにより、個食や孤食が増加し、いわば場当たり的な食事の習慣がついてしまったのも大きな原因と言えます。

さらに、食育が必要となってきた原因のもう1つに、昨今のBSEや食品の表示といった問題によって今まで当たり前のように思っていた食の安全・安心が、決して他人任せではなく、自分の目で確かめ、正しく判断することが必要になりました。また、人々のライフスタイルが多様になり、食生活も豊かになっている反面、食料自給率が低いという現実を受け、その向上につとめるという課題もあります。

このように私たちの食生活には、様々な問題がありますが、これらは、行政や産業側の努力だけではなく、国民自らが「食」について考え、正しい判断ができる力をつけるための「食育」が必要です。

食育の範囲は?

何を問題として食育に取り組むかは、取り組む人の問題意識によって違ってくるため、食育とは、非常に幅広い内容を含んでいます。
ただ「食生活指針」の関係、「食の安全」に関することぐらいは、最低限、知っておく方がいいと思います。

食生活指針は、平成12年3月に、当時の文部省、厚生省、農林水産省が共同で策定した指針であり、閣議でその普及を図ることが決められました。その内容は、誰もが食生活の改善に取り組めるように配慮されており、食事を楽しむこととともに、穀類や野菜・果実・豆類、牛乳・乳製品などをバランスよくとり、脂肪や塩分、飲酒を控えるといった内容になっています。

ただ、我が国の食生活指針には、諸外国にはない2つの項目があり、その1つは「食文化や地域の産物を活かし、ときには新しい料理も。」という項目が含まれています。
食文化の多くは、その地域で採れる農産物を食材として利用することで成り立ってきました。地産地消の目的である、その地で生産される農産物は、昔からそこに住む人にとって、体に一番合っているといわれており、それは食料自給率を高め、地球環境の保全にも役立てようという意味がこめられています。

もう1つは、「調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく。」です。
世界の食料の現状や環境問題から、買いすぎ、作りすぎに注意し、適量にということと、国産の農産物を大事に使って欲しいという期待が込められています。
食品の安全についてもいろいろな食品の情報を、表示する仕組みが増えてきています。食品を購入するときには、食品に付いている表示のラベルを見て、また生鮮食品にも、産地などの表示がされていますから、ぜひ注意したいものです。

食育の推進と取り組み

食育の推進については、幅広い国民の参加と厚生労働省の健康づくり運動の推進等、文部科学省の食に関する学校教育の充実といった国をあげての取組みや各関係機関とも十分連携していくことが必要です。

たとえば、現在、農林水産省では、食育活動の推進を図るため、「にっぽん食育推進事業」を実施していて、今年は、この一環として、東京、神奈川、京都、大阪の4拠点で「食事バランスガイド」の普及啓発を図ることを目的として、車両広告や雑誌広告、各地域住民を対象としたイベント等を開催し、「食事バランスガイド」を知っていただくとともに、実際の食生活で実践するを目的としてキャンペーンが行われています。

このように全国、また地域で食生活指針など食に関する情報提供の強化やシンポジウムの開催、 体験活動の実施、 地産地消の推進といった多様な活動を総合的に展開しています。

こうした食育の推進によって、栄養バランスの改善と正しい食習慣の形成、食品や食材に対する正しい理解を深め、一人一人が食について考え、正しい判断ができる能力を養成し、人間の生きる力を向上させることが食育の最終目標となっています。
国や地域の食育や健康、教育施策などが相乗効果をなしてこそ、健康な食生活と食の安全と安心の個人と社会の両面から実現ができるのだと思います。

では、私達が取り組みたい食育として、「食生活指針」という食生活の改善に取り組むための目標を実践していくための「食育」、もう一つは、食の安全・安心に関する「食育」があげられます。
普段の何気なく送っている食生活ですが、病気や肥満など、何かのきっかけで、普段の食生活を振り返ってみたことがあると思います。

しかし、食生活を見直すと言っても、毎日、食べるものを1つ1つ栄養素を調べたり、何をどの程度食べればバランスが良いかなどと考えるのは、よほどの知識がある方以外は簡単ではありません。
「食生活指針」とは、誰もが食生活の改善に取り組みやすいよう配慮して作られた具体的な目標で、その内容には、食事を楽しむとともに、穀類、野菜・豆類、牛乳・乳製品をバランスよく摂り、脂肪や塩分及び飲酒を控えましょうという内容が中心になっています。

また、食べ物が安全であることは当たり前ですが、昨今、BSE問題が大きく取り上げられたこともあり、本来、安全であるはずの食べ物も私達自身の目で品質が良いもの、安全なものを安心して購入するため、店頭で表示や鮮度を確認することも大切ですし、過剰反応を起こさず、冷静な判断力を持つことが大切です。

家庭でできる食育とは

家庭でできる食育は、もっと身近でカンタンに取り入れることができると思います。
「食」を大切にとらえて生活していくと元気になります。そして、食べることに意欲のある子は生き生きとしてきます。食事は、偏食をなくして楽しく食べるのが一番です。

子供達は、食卓に並ぶまでの食べ物の体験を通じて、いろいろなことを感じ取っています。
たとえば、匂いに誘われて台所にやってきたり、並べられた食材を見て、「今日のメニューは何かな?」と考えてワクワクしたり、知らない食材だと「これは何?」と興味を示すでしょう。

また、子供達と一緒に作物を栽培して収穫したり、その野菜を使って料理をしたり、また食品の買い物をするときも、子供達に新鮮な食材の選び方を教えたり、食品のパッケージの見方を教えると、子供達はそれらの体験を通していろいろと感じとり、自分で考えていくようになると思います。そうした楽しさを子供に与えてあげられるのが家庭でできる食育の第一歩なんじゃないかと思います。

共働きが増えた今の世の中の変化とともに食生活が「手軽」に変わってきました。
昔は、冷凍食品やデパ地下の食料品コーナーでお馴染みの出来合いの惣菜も少なかったように思いますが、今は外食したり、出来上がった惣菜を買ってきて、手軽に食べることができますね。

でも、食べ物は最初から食べ物としてあるわけではなく、さまざまな自然の恵みを受けて作物や魚、肉牛が育ち、それらが食品となり、調理されてやっと食卓に並びますね。

それが最近では、冷凍食品や惣菜として私達の目にふれるため、途中のプロセスが食べる側に見えにくい傾向になってきています。食卓に乗るまでの食べ物にもっと触れると、きっと子どもたちの食べようとする意欲も変わってくると思います。

栄養のバランスを考えながら「4つのおさら」を使って食事のメニューを考えてみましょう。このヒントは、子供が幼稚園の時に栄養士さんに教わったものです。
日本には古くから主食と一汁二菜(汁、主菜、副菜)と言われる食事の形式がありますが、これは、いろいろな食品を食べることが体にいいという生活の知恵ですね。

この4つのおさらは、子供達に主食と汁、主菜、副菜を教えるためのもので、大人でもちょっと迷ってしまうことがありますが、この際、大人も子供と一緒に勉強しましょう。

また、中華やスパゲティーなど、いろいろな味を楽しむのは大切ですが、和食中心にバランスとれた食事を心がけるようにしましょう。
和食は、濃い味付けになりやすいですが、食材のおいしさを味わうためには、できるだけ薄味の方がいいでしょうね。煮物、汁物は天然のだしをしっかり使うことです。薄味だと一生懸命味わおうとして、しっかりかんで食べるようになると思います。正しい味覚を身につけるのも食育と言えるでしょう。

毎日が忙しいワーキングマザーには、なかなか大変かもしれませんが...(笑)

5つの力を身につけよう!

食育とは、子どものころから食べものに対する興味を育て、食の大切さを学ぶことをいいます。
そして、規則正しい食習慣を身につけ、自分で自分の健康を考えて食べものを選ぶなど、健康で元気に過ごせるようになる力をつけることをいいます。

親子でできる食育で5つの力を身につけましょう。

【1.食べものを選ぶ力】
体にいい食べものを選ぶ力をつけ、食事のバランスも考えましょう。一緒に買い物に行って、いろいろな食材を見て、手にとって憶えるようにした方がいいでしょうね。最近のスーパーではなかなか食材を手に取って確かめる経験ができなくなってきていますが...
食品が偏ることなく、肉・魚・野菜・きのこ・海藻など、いろいろな食品をバランスよく食べるようにしましょう。

【2.味がわかる力】
いろいろなものを食べて、「おいしい味」を覚え、食べもののおいしさがわかるようになりましょう。
早食いや流し込みをせず、しっかりかんで味わって食べましょう。小学生ぐらいになれば給食でこういったことも習いますが、それまではママのお仕事です。

【3.料理をする力】
自分で食べるものを自分で作ろう!自分で作れば、嫌いなものもおいしいよというふうに、一緒に作る喜びや料理を作ることで、食材の名前や調理方法が覚えられたり、きっと新しい発見があると思います。
食事の用意だけでなく、後片付けも一緒にやってみましょう。
子供に食育のことを知ってもらうためには、ここまで教えるべきだと私は考えています。

【4.食べ物の命を感じる力】
食べものは野菜・魚・肉どれもが自然が育てた「生命」です。
命を食べていることを知って、食べものや自然への感謝の気持ちをもてるように、野菜を育てたり、動物の命と人間の食の関係、命の尊厳や大切さをゆっくり話し合う時間も持ちたいものです。

【5.元気な体がわかる力】
いつも健康でいられるように、生活のリズムを整えて自分の体に気をつけよう。
早寝・早起きをして、1日3回の食事をきちんととり、歯みがきや運動も忘れずに、元気でいることが当たり前の生活になってしまわないよう、いつも健康な生活のリズムを意識しましょう。

ロハスって?

最近、ロハスという言葉をよく耳にするようになりました。
LOHAS~ロハス(Lifestyles Of Health And Sustainability)と言われる人たちが、アメリカやヨーロッパで増え続け、今後のビジネスや政治のあり方まで変える可能性を秘めた存在として注目されています。

ロハスはアメリカの社会学者 Dr. ポール・レイの研究により誕生した概念を表現した言葉で、「健康と持続可能な社会に配慮したライフスタイル」として定義されています。地球環境保護と健康な生活を最優先し、人類と地球が共栄共存できる持続可能なライフスタイルと、それを望む人たちの総称です。

無理や我慢ばかりでは、健康も、エコロジーも、幸せも、長続きしません。自分たちの幸せの向こうに、社会の幸せや地球環境への貢献が地続きでつながっている。そんな実感のある暮らし、それを実現できる仕事を望む人たちにモノやサービスを提供する社会が、アメリカやヨーロッパで飛躍的に伸びています。

日本には2002年に紹介され、使われ始めたようです。ロハスなライフスタイルとは、「安ければいい」「効率がよければいい」という従来型の選択基準とは異なり、「それは自分や他人の体に悪い影響を与えないものか?」「それは地球環境にとってマイナスにならないものか?」をまず考え、それによって消費や行動を選択していくものです。

ロハスとは、シンプルライフの追求であるとともに安全なものを食べ、環境に配慮した商品、公正な貿易によって輸入された商品を使いたいといったように、目先のことのみにとらわれるのではなく、将来の自分や子孫、海外の国々のこと、そこで暮らす人々のこと、地球環境などに配慮しながら、自分らしいシンプルライフを追求していくことと言えます。

ロハスの5つのキーワード

ロハスには、以下の5つのキーワードがあるそうです。

【健康的な暮らし】
「食べる」「動く」「考える」「眠る」といった活動の繰り返しが健康的であることがロハスの基本です。自分にとって快適な、健康的な暮らしに必要なものを考えることから始めましょう。

【自然環境への配慮】
私達が快適で、健康な暮らしを実現するためには、自分自身だけでなく、健康的な暮らしと暮らしを取り巻く自然環境も健康でなくてはなりません。
毎日、無理なくできる自然環境への配慮を考え、実践しましょう。この「無理なく」というのが大切だと思います。

【五感を磨く】
ロハスの在り方は、人の数だけあります。自分にとって必要なもの、そうでないものを自分で選択し、情報や数値による判断だけでなく、自分の感覚で本物を見つけることがロハスには不可欠です。

【古いものと新しいもの】
最先端の技術である新しい発想と伝統的な知恵である古くからの習慣は、相反するもののようですが、どちらかひとつではなく、新旧それぞれの良いところ、必要なものをバランスよく選び融和させることが大切です。
逆に、いくらロハスが環境だといっても、なんでもかんでも古いものがいいってわけでもないですよね。互いのよいところを自分の暮らしに取り込む方法を見つけましょう。

【つながりを意識する】
社会も環境も、すべて自分とつながっています。いつも口にしている食べ物は、どこで生産され、出荷され、食卓に上ったのか、また、私達が捨てたゴミはどこへ行くのか、これを買ったり、消費し続けると地球にどんな影響を及ぼすのかなど、その先に何があるのかを考えてましょう。

これらの5つのキーワードは、自分を主体として、普段見落としがちな周囲のこと、自然環境のこと、健康のことなどに視点を移してみることで、生活の利便性だけを追求するのではなく、自分にとって本当に必要なものは何なのかを知ることから始まるのではないかと思います。

日本的ロハス生活

今、日本では、ロハス・カフェやロハス・レストラン、旅行のパッケージツアーやラジオ番組など、ロハスと名のつくものがあちらこちらに出てきて社会現象にもなっています。

最初、ニュースで初めて「ロハス」という言葉を聞いた時、何かの略語だろうとは思ったのですが、前後の言葉から全く何のことかわかりませんでした。(笑)
確か、お中元か何かの贈答品に「ロハス」が取り入れられているといった内容だったと思います。

ロハスが生まれたきっかけのひとつに、日本人の価値観の変化があると思います。
それまで日本人にとってお金が絶対的な価値を占めていましたが、バブルがはじけて、その価値が崩れてしまったため、新しい価値を求めていたところにスローライフが登場しました。
郊外に畑を持って野菜を作ろうというこの思想は、忙しい都市生活者には理想郷でしかなく、限界がありました。そういう中で、ロハスが現れ、受け入れられたのです。

ロハスは、環境のことを考えながら、こだわりをもって生きるライフスタイルのことで、ロハスがエコロジーやスローライフと大きく違うのは、今の自分の生活とのギャップもなく、どんなきっかけからでも今すぐロハスのライフスタイルが送れるということです。
万人に受け入れられやすいライフスタイルということが、人々に広く浸透した理由だと思います。

また、ロハスは、アメリカのマーケティング用語から派生したものですが、ヨガをしたり、身体にいいものを選んで食べるなど、身体の内側や精神面から美しくなろうという考え方です。

まさにこれは東洋思想的発想で、日本のものは、食にしても、住にしてもすべてがロハス的だと言われます。
日本の風呂は、まさに健康増幅に役立っていますし、畳は夏に涼しく、冬は保温効果もあって一年を通して快適な万能床です。

当たり前のことが、とてもありがたい...と思えることがロハスなのだろうと思います。
本当に大切なのは、ただ単に健康や環境に気を使うというだけでなく、こういうありふれた風景や出来事のなかに驚くべき力が働いているということを知り、一人ひとりがその知性や感性を研ぎ澄ませていくことじゃないでしょうか。