子供に伝える「親の気持ち」

「しつけ」というと、まず礼儀作法を思い浮かべることが多いと思いますが、人として身につけるべき大切なことは、社会生活に必要なあいさつ、食事のマナーなどはもちろんのこと、「お互いを思いやる」「命を大切にする」「人に迷惑をかけない」など、「あたたかい人間の心」だと言えると思います。

乳幼児期の子供は、こういった大事な心の持ちようを一番身近な親のまねをしながら身につけていきます。「しつけ」とは、親が子どもに「どんなふうに育ってほしいか」を考えることから始まり、それぞれの時期に応じた適切な関わりを通して「しつけ」は、なされていくのだと思います。

しつけは、ママのおなかの中にいる時から始まっています。胎教なんて言葉がありますよね。
おなかを撫でて、おなかの赤ちゃんに話しかけたり、パパとママがおなかの赤ちゃんの話を幸せそうに話している声もみんなおなかの中で聞いているのです。

たとえば、感謝する心を持って欲しいと思ったら、「ありがとう」「ごめんなさい」をパパやママが自然に言う。草花を好きになって欲しかったら、ママがお花を育てて心を和ませたりすることが、赤ちゃんへのしつけとなるのです。伝えたいことがそのまま伝わるという意識を持って接するといいですね。

好奇心旺盛な赤ちゃんは、いつも周囲に起こっていることに関心を持っています。
0歳児は、ママとパパの行動や話していることなど、何でもよく見たり聞いたりしながら、身近で繰り返されるものを、大好きなものとして吸収していく時期です。
ですから、親はよいと思ったこと、伝えたいことを、理解させようとするのではなく、心をこめて繰り返すことが大切だといえるでしょう。

子供はそのことに興味を示し、そして自然に身につけていきます。「こんな人になって欲しい」「こんなことを身につけて欲しい」ということを親自身が見せることが、自然に「しつけ」につながっていきます。
「いろいろなことを吸収している時期」だということを親が意識して、赤ちゃんの探究心や好奇心を満たしてあげるといいと思います。

1歳になり歩き始め、自我が芽生えてきた子供たちは、自分のペースでいろいろなことをしたがるようになります。大人が思いつかないような遊びを見つけるのが得意です。中には、危ないなと思うこともあります。でも、いきなり止めるのではなく、子どもがなぜ、そういう行動をとるのか気持ちを考えてあげたうえで、「これはいけないことだよ」「楽しいけれども、危ないよ」と親の気持ちを伝えてあげましょう。

自分の行動を注意され、指示されてばかりいると、自分に自信の持てない人になってしまいます。人に迷惑をかけたり危険でない限り、子どもの行動を認めてあげることで、成長と共に自分の意見を持ったり、物事に対する意欲を持ったりすることができるようになります。

「ほめること」と「叱ること」は、子育ての中で最も難しいかもしれません。
「ほめられるから」とか「叱られるから」ということが、行動の基準にもなりがちだからです。ママ、パパの考え方を真剣に子どもに伝える手段として、どうしたらよいかを考える必要があるでしょう。
子供にとって、ママやパパに認めてもらえることは、とても嬉しいことです。子どもが頑張った時には、結果に関わらず、心からその頑張りを思い切りほめてあげましょう。

 「叱る」場合に気をつけたいことですが、もし、周囲の人に非難されるから、自分の自尊心が傷つけられたから、子どもが言いなりにならないからという気持ちで叱っていると、子どもはなぜ叱られるのかも理解できません。世の中には守るべきルールがあることをきちんと教えることが必要です。

その時は必ず、「あなたのことが大好きだから、きっとできると信じている」という気持ちで子どもと向き合い、親の考えを心をこめて伝えていきましょう。
「ママもパパも自分を信頼し、愛してくれている」という実感が子どもの心の中にあってこそ、親の言うことを聞き入れることができるのだと思います。
成長に応じて、ゆっくり待つということも大切だろうと思います。